前回自作のパソコンを組んだのは2019年の9月ごろだからそろそろ6年が経過した。 この6年前から使っているパソコンはスペック的にはRyzen5の第2世代(Ryzen 5 2600)で、最初は15ギガのメモリ実装だったのを途中で32ギガバイトまで増やした。 マザーボード(Mobo)はAsusのROG B450‐F Gamingというものだ。 もともと2013年に組み立てたAsRockのMoboを使ったパソコンの調子が6年目で悪くなり、CMOS Batteryの交換やBios Resetなどではらちがあかなかったので、これはコンデンサあたりがダメになったかと見切りをつけ、マザーボードだけ入れ替えたものだ。ケースやパワーサプライ、Sata-SSDなどはその時からの部品を使いまわし、グラフィックカード(Radeon RX 480)は2016年購入のもの、。 もうひと昔前のスペックになるわけだが、Windows 11も動くし、特に不満があるわけでもない。 このAM4ソケットのMoboはまだファームウエアの更新が活発だし、M2規格のnVMEもサポートしているし、AM4 ソケットの最後世代のRyzen 5000シリーズとともにいまだに販売されているという足の長い人気商品だ。
ただ、今回トランプ関税の影響で今後アメリカ国内におけるパソコン部品の値上がりが予想されたので、今のパソコンの調子が悪くなる前に新品を買って組んでおこうと予算1000ドルでNewEggから部品を調達してみた。
以前はMaximum PCという月刊誌に推奨組み立てキットというか、 AMDとIntelのCPUにそれぞれ対応して、松竹梅の3種類のアセンブリリストが毎月掲載されており、これを参考にしながら組んでいたのだが、この雑誌今年の3月で休刊となってしまっていた。
代わりに使ったのがNewEggのサイトでのAIアシスタント。 これでCPUをRyzenの 9000シリーズ(第9世代?)を指定し写真編集とProgrammingにも使えて予算1000ドルと入力してみて出てきたおすすめの部品構成を参考に注文してみた。
バンドル購入ということで500ギガバイトのM2PCE メモリがおまけについてきた。これは大きい。追加で2テラバイトのM2スティックを使い、ストレージ関連はSATAデバイスを追加すること無しでできてしまった。
ちなみに今回のMoboはGigagyteのB650 Aurus Elite というものだが M2の PCEスティックが3本まで装着できる。
というわけでざっくり値段をみると(NewEggの値段は毎日のように変わるのでその日によっておすすめも変わってくる)
1.CPU Ryzen 5 9600X $220
2.Mobo GigaByte B650 Auros Elite Ax $200
3.Case Corsair with cooling fans 3000D $80
4.SSD 2Tera Byte $120
SSD 500G Byte 無料
5.PSU module type 650W $100
6.GCU Radeon RX6600 $190
7.CPU Cooler $30
8.32GB Memory $90
計1050ドル これだけ買うと送料は無料になるわけだ。
要求の1000ドルに対して若干それをオーバーした品ぞろえをおすすめしてくるのはさすがにAIである。(実はMoboは同じグループでグレードがワンランク下の製品が150ドルなので、これを使えばちょうど1000ドルになる) でもせっかくおすすめしてくれたので従うことにする。
組んでみて、時代は変わったなあと思ったことをランダムに書いてみる。
1. ケースにDVDとかフロッピードライブを装着するベイがない。フロント面は全部Cooling Fan装着のためのスペースになってる。すいません。歳なのでソフトの導入はフロッピーやDVD/CDでやっていた世代なのです。ちなみに今5インチベイのついたPC用のケースを探すと(特に5インチベイX2などと指定すると)もう絶滅危惧種です。
2.ケースフロントからのコネクターにHDDアクセス表示用のLED配線がない。 当然LEDはついていない。 HDDやSDDはもう実装してないからこれでいいのか。ちなみにケースにスピーカはもちろんついていません。
3.MoboのFirmwareのアップデートはなんとCPUなしでも可能な機能が搭載されている。 これは他社のMoboでも同じような機能があるみたいだ。 このMoboはAM5ソケット用なのだが、印刷されたマニュアルを見ると7000シリーズとと8000シリーズのRyzenに対応となっている。 2024年のファームウエアでは9000シリーズにも対応しているのだが、購入したMoboのファームウェアが古いとそもそも起動しない恐れがあるわけで、そんな時CPUなしでもファームウエアが更新できるというのは必須の機能になるわけだ。ちなみに今回購入したMoboは9000シリーズに対応した初期のFirmwareが実装されていたので、この機能のお世話になることはなく、最新のファームウエアへのアップデートはBios画面から行った。
4.今やMoboにWifi機能がついているのは当たり前の時代になってしまった。
5.グラフィックカードにインテルのアーク A750 を推奨された。確かに低価格のグラフィックカードのベンチマークを見るとAMDやNVidiaに負けない(というか少し勝っているような)成績を出している。さすがにちょっとビビッてRadeonにしてしまいましたが、試してみればよかったかな。 ただ今回使ったRyzenはCPU自体にRadeonGraphicsがスタンダード実装されているのでこの低価格帯でのグラフィックスカードが本当に必要だったかどうかはちと微妙。カードを省けば800ドルで組めていた可能性はあります。
6. ARGBとRGBの違い。 今や3色LEDを自由に点灯できなければマザーボードとは言わないようで、ARGBという3ビンのコネクタ端子がいくつが実装されている。 B450-F実装されていたのは4ピンのRGBコネクターであって、それぞれ12V, R,G そしてB端子はそれぞれの色のグランド側だったわけだが、これで点灯させるLED群は1色しか指定できない。 なんの不思議もないと思っていたのだが、世の中進歩させたいという輩はまだまだいるのだ。 ARGBはプラス5ボルト、グランド、そしてデータという3端子構造になっており、 接続されているLED一個つづアドレス指定をして色の指定ができるということで、同じクーリングファンの照明にグラデーション効果などを持たせることができるようになっている。ということはたかだか3個入り15ドルでアマゾンから購入できるクーリングファンにはPwdモーターはもちろんのこと、LED用にはアドレスデコーダーチップとドライバーまでもが組み込んであるということで、いやはや中国製品のコスパはすごいわ、と改めて思った次第。
7. CPUにクーラーが同梱されていなかった。 自分はオーバークロックなどはあまりしないので、CPUクーラーはCPU自体に同梱されてくる空冷式のクーラーを使って十分だったわけだが、今回購入のRyzenの9000シリーズのCPUにはクーラーがついていないのが標準みたいだ。 別途にクーラーだけで30ドルくらいの出費になるので、この分割高感がある。(ちなみにパッケージングの写真をみると8000シリーズまでの多くはクーラーが同梱されている模様)
ともかく、今回は配線のミスもなく(M2ソケットの使用など、ケーブルの取り回し量自体が以前に比べて減っているし、LEDのコネクターなども逆接続のバカ除けがきちんとしている。4PINのLEDコネクターは逆接続できてしまっていた)組んだ後の起動もまったく問題なし。
OSはWindows 11だが、Licenseは普通に買うと200ドルくらいする。 しかし世の中にはグレーマーケットというのがあって、PC生産のOEMが大量に確保したライセンスキーで「余ってしまった」キーを10ドルくらいで頒布しているサイトがある。 今回はGrouponというサイトを使ったが、一度インストールすると小売ライセンスのようにほかのマシーンにトランスファすることができない、という不便さを除けばちゃんと認識されてアクティブになる。