ホワイトビネガーの威力

最近やけにコーヒーの出来るのに時間がかかる。 コーヒーメーカーの中にカルキなどがたまって詰まってきているらしい。 バージニアにいたときには問題なかったが、ミシガンの水はミネラルが豊富なのだ。

コーヒーメーカーの説明書を読むと、月に一度は酢で洗え、とある。 今までやったことがない。(おい)

ホワイトビネガー1に対し、水4の割合で、カラフェ一杯の水溶液を作り、これをコーヒーを入れる手順でコーヒーメーカーに通してみた。 

仰天するほどどっさり、カルキの塊が落ちてきた。  その後、3度ほど、カラフェ一杯の水を通し、なんとかきれいな熱湯が出るようになった。

コーヒーの出来る時間も元に戻って早くなり、気のせいか、コーヒーもうまい(多分気のせい)

以前耳鼻科に行ったときに、耳の洗浄にやはりホワイトビネガーを薦められた。 耳垢が奥まで詰まっていて、なかなか耳かきでは取りきれなかったりした場合の対処法。  ホワイトビネガー1に対し、水1で薄め、 これを人肌に暖め、 30CCほど、注射器やスポイトなどで、耳の中に注ぎ込む。 これを毎日続けると、1週間くらいで、耳の中の老廃物が排出され、殺菌もされてきれいになる。  後は一月に一度くらいの割合で洗浄しておくと、耳の中はいつも清潔に保てる。

ホワイトビネガー、あなどりがたし。

 デジタル一眼レフを買う。

今年の始めころから、Palm Tungsten T3 でHandyShopperのImpulse Buyの項目にDSLR、1000ドルというのを入れておいた。 しばらくここに書き込んでおいて、熱が冷めると、棒線を引いて、いかに経費を節約できたのか実感できる、 はずだったのだが、 デジカメに関しては「欲しい!」と言う煩悩が膨らむばかり。 

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2ヶ月ほど前にカメラ屋に行ってCanonのDigital Rebel XTというのを触らせてもらった。(アメリカ国外ではD350と呼ばれているらしい) レンズが一本ついて、1000ドル。  店員と色々話していて、DpreviewというWEBサイトにデジタルカメラのレビューが出ていると教えてもらった。

さてどうしようかい、と思っているうちに、女房と散歩の途中で入ったバーミンハムの図書館でDigital Photography Reviewとかなんとかいう雑誌が目についた。 Digital Rebelのことも載っているかな、と思ってぱらぱらめくっていたらOlympus Evolt 500 (アメリカ国外ではE-500)という新しいカメラのレビューが目に付いた。

レンズが2本ついて、CANONのものより100ドル安い。 これはいいかも、と思った。

そこであらためて DPReviewのサイトに行ってみた。

大体1000ドルくらいのデジタル一眼レフで8メガピクセルのものは現在このCanonとOlympusしかないようだ。

両方のレビューを見てチェックすべきと思ったこと。

キャノン: 小さすぎてホールド性に難がある。

オリンパス: ビューファインダーが小さい。起動時間が2秒近い。

2週間ほど前にカメラ屋に出かけて聞いたらOlympusは在庫がないという。 オーダーは出ているので、そのうち入荷するでしょう、との事。

会社の同僚と話していたら、 自分がまだCanon A-1を使っていることを指摘された。 30年前のカメラを大事につかっているような性格であれば、今回の買い物も何年も大事に使うはず、 であれば、数百ドルの値段の違いなど、どうという事はないのではないか、と。

そこで Canon 20Dも視野に入れることにした。 これはボディーだけで定価1500ドルである。

先週末に買い物のついでに女房と二人でカメラ屋に寄って見た。 E-500はあるかと聞いてみたが、 陳列棚の中にはない。 あきらめかけたら、店員の一人が「さっき入荷してきたのをみた。」という。 裏の倉庫に見に行って、箱を抱えて持ってきた。 

D-20とDigital Rebel, E-500をカウンターの上に並べて比べてみた。

D-20は重いということで女房却下。 Digital RebelとE-500を比べると、持ったかんじがE-500のほうが安定する。 オリンパスのビューファインダーが小さいのは全く気にならない。 起動時間も、まあ許せる範囲か。

本来ならばここでは品物の評価だけして、 買い物はインターネットの通販で安いところから、と考えていたのだが、 店員が色々説明してくれたので、 (40分ほどカウンターの前で、あれやこれやと説明を受けてしまった) つい情にほだされて、その場でクレジットカードを出してしまった。 Olympus Evolt 500をお買い上げ。

完全に赤字財政である。

感謝祭でターキーを食べる。

木曜日は米国は感謝祭で休み。 金曜日も休みにしてしまう企業が多いので、大概の家庭は4連休となる。 これに自分の有休を使って一週間丸まる休みにしてしまう輩も多い。 学校は水曜日から休みだし、職場に出て行っても、朝からふにゃふにゃの雰囲気で、3時くらいにはもうほとんど人がいない状況。様子を見ていたが、昼ごろから今年初の雪が降り出し、路面はつるつる。 自分も早々に退社。

帰れば息子が待ち構えていて「遊ぼう」 迎えの中学生は身の丈ほどの雪球をころがして作っていた。

感謝祭自体は日本の正月のようなもので、ほとんどの店が休みである。 

感謝祭には七面鳥を食べるというのが習慣になっていて、七面鳥にはえらい迷惑な話ではある。 本来は自分ちで調理をするのだが、丸々一羽料理をするのは結構大変である。 一部のホテルとかレストランではディナーと称してブッフェ形式で七面鳥料理を供してくれる、というのに4~5年前くらいに気がついて、最近はもっぱら2週間くらい前から予約をとり、他の家族も誘って食べに行ってしまうようになった。 

3人家族で一羽というのは多いのであまって持ち帰るのだが、これが週末まで延々と手を替え品を替え、あるときはサンドイッチとなり、あるときはスープの具となって出されたりするのである。

金曜日は朝5時くらいから店が開き大安売りが行われるのが通例で、去年は17インチのLCDモニターを200ドルでゲットしたが、今年のビラを見ると19インチのLCDモニターが200ドルである。 PalmのZ22が80ドルだ。 うーん欲しいと、おもったが、女房に「必要なの?」と聞かれて我に返った。 今年は新車を買ったし日本に帰る予定もあるので貧乏なのであった。

MindManager と MindMapper

MindMappingをWikiPediaなどで調べるとわかるが、 MindMapをパソコン上で作成するためのツールは結構種類が出ている。

一番安いのがGPLの無料ソフト、FreeMind

自分は2年ほど前にMindManagerというソフトを見つけ、これを愛用してきた。 実は仕事でも使っていたのだが、今回グループ共有のノートブックパソコンを勤務先で買ったついでにオフィシャルにMindManagerの搭載をリクエストした。 

すると、他の部署ではMindMapperというツールを使っている、ということが判った。

MindManagerは英国製。 MindMapperは米国製。 

勤務先のITとしては使う同一目的のソフトは1点にしたい、 期せずして英米ソフトの一騎打ちである。 

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ググって見ると、それぞれのツールにファンがいて、どちらかが圧倒的に良いというわけではなさそうだ。 

MindMapperもMindManagerも1ヶ月の無料使用期間がある。 のでMindMapperをダウンロードして使ってみた。

MindMappingの機能としては基本的に両ソフトとも変りがない。値段も同じようなものだ。 ただ、User Interfaceの使いやすさで若干MindManagerに分があるかなというのが自分の感想。 ただし、MindMapperのユーザが逆の感想を持つことは十分に在りうる。 またMindMapperはMindManagerのMapを読むことができる。 互換性の面ではMindMapperの方に分がある。

さらにMindMapperではプログラム内部で簡単なガントチャートを作成して表示できてしまうところがMindManagerには無いところ。WEBサイトのサンプルマップを見てすごい、と思ったのだが、 実際に触ってみると、あまり使わないような気もする。 どちらもMSプロジェクトへのエクスポートができるのでスケジュール管理をするのなら自分としてはそちらのパスを選びそうだ。

一番の問題は日本語の入力に手間がかかること。 MindManagerなら日本語に切り替えればFont指定がArialであっても、デフォルトの日本語フォントに切り替わるが、Mindmapperはいちいち日本語フォントを指定しなければならない。   さらに日本語Windowsで使っている最中に一度クラッシュしてしまい、 作っていたMapをパーにしてしまった。 たまたまの問題かもしれないが、MindManagerでクラッシュした記憶がない。

自分の個人的な意思としてはMindMapperは使えないな、 ただし、グループ内の日本人は自分ひとりだし、MindMapperを押し付けられてもしょうがないかな。 という気持ちで決着すべく打ち合わせの場へ。

出席者はMindMapper使いが三人、 MindManager使い(自分)が一人、 IT管理から2名。

結論から言ってしまうと、今後のMindMappingのツールはMindManagerを使っていくことで同意が得られた。  何が利したのかを考えてみると、 マインドマップのプリントアウト各種と自分なりの機能の比較表を持ち込んで話をしたのが自分だけであった。 「別に全員が使っているわけでもないツールを共通化することに意味があるのか」という切り口から話を始めたのも幸いしたようだ。この手のツールは成果物をOfficeにエクスポートして使用するのが通例だ。 

40分の討議の結果、今後はMindManagerで統合していくが、現在使っているMindMapperは、そのまま使ってよい、 という結論になった。 全員Happy。 いやほんとに

前もって準備をしておけば、それだけの見返りがあるのだ、という教訓。(^^)

 LifeBalanceの使い方。

Palmにとどまる一つの理由としてこのLifeBalanceをあげる人がいるくらい、熱烈なファンを持つ。 基本的にはアウトラインでタスクを設定していくTodoアプリケーション。  出生が英語圏なので、日本ではなじみがすくないが、 日本語化したPalmでは問題なく日本語が使えるし、 Windows Versionも最新版では日本語が通る。 またMacバージョンも存在するが日本語が通るかどうかは判らない。

Bonsai,Daynotez,そしてLifeBalanceとWindows PCでコンパニオンソフトが走るということが、自分のアプリ選定の一つの基準になっているようだ。

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Palmに組み込みのTask(to do)からの起動時のインポートと終了時のエクスポートをサポートしているから、ToDoと一緒に使うことも可能。 もちろん、Export とinportをオフにしてしまえば、まったく独立したTask listを作ることもできる。 Datebookとのリンクもサポート。

ユニークなのが、Placeという考え方で、これが カテゴリーと同じような意味に使える。これだけなら、無制限に作れるカテゴリーという事にしかならないが、実は このPlace、Open時間とClose時間を指定することができる。 簡単に言ってしまうと”仕事”というPlaceを作ったら、その”Open”時間を月曜日から金曜日の9時から5時まで、と指定するようなことができる。 

その結果どうなるかと言えば、”仕事”というプレースで”open”を選択してTo-doリストを見ていると、 金曜日の5時を過ぎると、リストが空になる。 (Allを選択すれば時間外でもタスク表示できる。)

さらに 一つのPlaceは他のPlaceを含むことができる。 

例えば”仕事”、”通勤””夜””休日” というようなPlaceを作ってそれぞれに該当する時間帯を設定してやるとする。 To-doリストをそれぞれのPlaceに切り替えて使う(もちろんそういう使い方もあるが、)代わりに、 ”毎日”というPlaceを作って、それが上の4つのPlaceを包含すると定義をする。そして”毎日”の”Open” を選択して見ていると、 昼間見ているTo-do listと通勤時に見るTo-do-list、 休日に見るto-do-listが動的に変化する。 

David Allenが言っている、To-do Actionはコンテクストで変る、 という概念になじむのでGTDforumの人に評判が良いようだ。

アウトラインビューで

大仕事

  • タスク1
    • 段取り1
    • 段取り2
  • タスク2
  • タスク3
    • 段取り3
    • 段取り4
    • 段取り5

というように仕事をアウトライン分割して入力したとする。 さらにタスク3では”サブタスクは順番に処理”と言うオプションにチェックをいれておいて To do list view に切り替えると現れるタスクは

段取り1

段取り2

タスク2

段取り3

の4項目だけである。 つまり親タスクは子供タスクが終了するまでリストに現れない。 この状態で、段取り1、段取り2、段取り3をチェックするとTo do listの内容は

タスク1

タスク2

段取り4

に変る。

全部の子供タスクが終了すると、このリストは

大仕事 

という大項目のみになり、 すべてのタスクが本当に終わっていればこの大項目もすぐにチェックを入れることが出来るはずなのでであるが、「なんかまだ終わってないよなあ」と思えば、またアウトラインビューに戻って、この下に子供タスクを入力することになる。 

あと、それぞれの仕事の重要度は5段階ではなく、スライダーで無段階に入力するようになっている。 このとき気をつけなければいけないのは あくまでも「親タスクに対する重要度」を入力する必要があるということ。 各タスクでは「重要度」と「難易度」「納期とリードタイム」を設定することができて、これによりTo do listにおける各タスクの並び方が変ってくる。  一概に上位にリストされているものがより重要度・緊急度が高い、という事になる。 

概略以上のようなソフトなのではあるが。 Placeの柔軟性、Export、Importのオプション設定の自由度が高いことが災いして、結構Learning Curveがきついソフトになっている。 さらにこの設定のやり方に、はまる人たちがいて、それは細かく分類されたTask listができあがってしまったりする。 「次の3分間で出来る仕事はリストに書かずにやってしまう。」というDavid Allenの忠告は守ったほうが良い。

100ドルのお買い物

今年はじめに祖父母からもらった小遣いの残額を計算をしていた息子がPSPをあきらめ、代わりに欲しいといったのが、この Fly pentop computer. 昨夜Toysrusで買ってきたのだがこれが結構面白い。

ボールペンの先にスキャナーが付いていて、ボディーからは音声がでるようになっている。 文字や単語を書くと、それを認識して発音するのだが、これは小手調べ。 いや、日本語の名前も結構正確に発音するので驚いた。

紙の上に計算機を書いてやって、これをタップしていくと答えを言う。

ピアノの鍵盤を描いてやって、タップしてやると音階が出る。

スケジュールを書いてこれをペンに覚えさせ、時間が来ると音声でイベント名を知らせてくれる。

ゲームがプログラムされたシートが色々あって、 それをスキャンすると、ハングマンやら単語探しなどのゲームができる。 紙と鉛筆というLow Techの感覚がスキャナーとマイクロというハイテクと、うまく融合している。 

うまくできてる。クリスマス商戦のヒットになるかも。

ところで、このおもちゃとPalmのZ22というPDA、そして任天堂のゲームボーイマイクロが、揃って$99.99と同じ値段なんである。 欲しいと思わせる手ごろな値段ということかしら。 

 HP48GXの復活

Power48とPalm TXの相性について、 このサイトを見ると、

Rom imageをNVFS(メインメモリー)に展開していると、読むことができない。SDカードからだとロードできる。

SDカードからでも、48GXと48SXのロムイメージのロードはOKだが、49Gのロムイメージはヒープメモリーが足りなくてロードできない。

 と書いてある。

よって、結論としてはTX上では48SXと48GXのエミュレートはできるが、49Gのエミュレートはできない、ということになる。 Power48はTXでは全く使えない、と自分が勝手に思い込んでいたのは間違いであった。

自分がメインに使うのは48Gの実機を持っている関係上48GXなのだが、Tungsten T3で使っていたときにはロムイメージをメインメモリーに格納していた。 TXに移行した際、プログラムがイメージを発見できなくなっていたようだ。 

SDカードにおくイメージはフォーマットがbin形式になっており、それだとTX上でも認識する。 そこでロムイメージをPC上でSDカード用にコンバートしなおし、SDカードに転送することによってGXとSXを起動させることができた。 日本語化しているTXでも大丈夫。  ロムイメージのサイズを改めて見てみると  SXが256キロバイト、GXが512キロバイト、そして49Gが1メガバイトと、確実に大きくなっていることが判る。 まあ49Gはマニュアルもないし、これでもいいか。 ちなみにこのPower48はフリーソフトである。 Labor or Loveとしか言いようがないが、 ググってみても作者の痕跡が今年の初めくらいから立ち消えている。 無事でいてくれると良いのですが。

そっと駒を置く

趣味のほうも少し書いてみようと思うが、こういうときにはろくなことにはならない。先手が自分。 この局面は先手6二角成りに対して後手7一金とはじいたところ。金を打たずに馬を取ると7一銀打ちで寄るので後手としては仕方がない。

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6三銀、6二金、同銀成りとして、受けようにも金気がなくなり、 ここでそっと8四香車と置いた。どうにでもしろ、という手だが 実はここで後手玉すでに詰んでいる。 7二成り銀、同玉、3二飛車成り以下、後手がどう受けても詰む。 しかし、30秒将棋の恐ろしさ。飛車成り以後、どうにも玉が広く見えて 弱気が出た(泣) 

7一銀打ち、9三玉、8二成り銀と迫って順当勝ちを目指した。 確かにこの時点では勝っている。 だがしかし、

8六香車、9七玉(激泣) 8八角打ち、9八玉、9九角成り! 同玉 9七香打ち。まで後手の勝ち。 以下香車を桂馬で取ると 6九竜と金を取る手が王手になって即詰み。9八合い駒は8八角打ちでおしまい。

 9七玉と逃げる手で8六玉と香車を取ると、左のように4二角と打たれてまずいと思ったのだが、これは7五金と打てば後手は飛車を抜いている暇が無い。以下7五同角、同歩で、後手は攻めが続かず、やはり先手の勝ちだった。 やっぱり将棋は負けるときは自分が悪い。 ああ悔し。

 まじめの続き

PDAの使い方の話からTo do action item listの活用法の話、そしてtime managementと、どんどん話が仕事の方向に近づいていく。 このブログをはじめたときに仕事の話はしないと決めているのだが、危ないあぶない。 かなりの低空飛行。

重要・緊急、重要・非緊急, 非重要・緊急, 非重要・非緊急の四象限の考え方についてのコメントがあったので、少し補足を。 それと頭に浮かんだことを取りとめもなく。

4象限の説明をしたあと、Hobbsは例題を出した。

「秘書がボスから「この書類のコピーを取ってきてくれ」と頼まれました。 これはどのQuadrantに属する仕事でしょう。」

日本流に直すと

「○○ちゃん、お茶持ってきて」とか言われたが、これはどんな仕事?という事になる。

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答えは「緊急かつ重要」(え!?) 秘書にとって、顧客(ボス)を満足させることが彼女のFirst Priorityだから。 お茶を入れる(あるいはコピーをする)事の価値が当事者の見方(パラダイム)によって違ってくるということ。

「うあー、どうしよう、××のプレゼの準備が間に合わなくなる」とそこで一言なげいて「あ、そうか、じゃ俺が自分でやるわ」と言わせるのは本人の器量。 建設技術者さんはこれを自然にやっている

ABCDにプライオリティ分けするとA,Bの仕事はいつも片付くがCとDの仕事が延々と残ってしまう。 そのうちCの仕事だったはずのものがAになってくる。はてこんなはずではなかった。 そのうちDだと考えた仕事までもがいつの間にか重要になってしまっていたりする。

たいてい人はおおかれ少なかれ緊急=重要 非緊急=非重要というような判断の仕方をしてしまう。 まずこのパラダイムを打ち破らないと このシステムは回らない。

Stephen Coveyが重要なタスク(大きな石)と雑用(砂)を限られた容器の中に入れるには、という話を以前から書いているが、8th Habit付属のDVDにはデモ映像がついてくる。 最初に砂を入れてしまった後から、石を入れようとすると、全部入りきらない。 しょうがないので、「恋人・伴侶との時間」とか「バケーション」とか書いた石は入れるのをあきらめ、「仕事」「上司とのつきあい」とかを入れるのだが、 その後、砂を取り出し、大きな石から順番に入れて最後に砂を注ぎ込むとあら不思議。 全部が容器に納まってしまいました。

大きなタスクのあとに、楽しい小さなタスクを予定しておく(例えば新しいデジカメを買いに行くとか) という工夫を誰かが言っていたが、これが砂の入れ方か。

理論というのは過去に色々経験し実践してきた秀でた人たちの経験の体系化であって、はじめに理論ありき、という事ではなく、 ある程度自分流にやってみて色々問題意識を持ってから勉強したほうがわかりが早いはず。

ケン・ブランチャードだったか、ロングレンジゴールと短期タスクのつなげ方についてのたとえ話。 (あるいは、どうしたら組織の一員としてのやる気がでてくるか、のたとえ話)

三人のレンガ積み職人が道端でレンガを積み上げていた。  何を作っているのか聞いてみた。

最初のレンガ職人 「見りゃ判るだろう、 レンガを積んでいるんだ。」

二人目のレンガ職人 「この道路の脇に高さ10メートル、幅50メートルの壁を作るんだよ、 立派な壁が出来るから見ていろよ。」

三人目のレンガ職人「ここに作る壁は、それは素敵な大聖堂の周り廊下の一部になるのさ。俺はそんな立派な建物の一部をまかされて作っているんだ。」

誰の仕事が一番出来が良いでしょう? 「ああ、今日も充実した一日だった。」と仕事の後、言えるのはどの職人さん?

ものの見え方の変移(パラダイムシフト) についての Stephen Covey が話す体験談(うろ覚えなので詳細が違う可能性あり))

ある日地下鉄に乗っていると、小さな子供を三人連れた父親が入ってきた。 子供たちは電車が動き出すとすぐに大はしゃぎで座席に飛び乗ったり走り回ったりし始めた。 父親はというと、まったく子供たちに関心を示さず知らん顔をしている。 しばらく我慢をしていたが、とうとう耐えかねて父親に文句を言ってしまった。 「あなたの子供たちでしょう、もう少し静かにさせてくれませんか?」 そこで初めて我に返った父親はつらそうな顔でStephenにこう言った。「あぁ、気がつかなくて申し訳ありません。 実はたった今病院から出てきたばかりで。あの子らの母親-私の妻ですが-の臨終に立ち会わなければなりませんでした。 あの子達もこんなことをしてはいけないのはわかっているはずなんですが、私自身もこれからいったいどうすればよいのか訳がわからない状態で、 本当にすみません。」 Stephenのそれまでのいらいらはいっぺんにどこかに吹っ飛んでしまう。 「それはお気の毒です。 何か私に出来ることはありませんか」 同じ状況下でも自分の気持ちの持ち方で周りの景色がすっかり変ってしまう。

 ちょっとまじめに過去を振り返る

建設技術者さんの書き込みをみて。

ここまで自分で理解してしまうってのはたいしたもんだなあと関心感心した。 これは ”Getting Things Done”(略してGTD, yahooにgroup forum あり)を書いているDavid Allen の言うところの Goalは実際Actionが取れる itemまでどんどん分解していってはじめてto do listに書き込むことができるタスクになる、という概念と同一だろう。

初めてタイムマネージメントの概念に触れたのは80年代の後半だったと思う。 Charles HobbsのTime Powerというオーディオテープが最初。 これはDaytimerというシステム手帳のカタログから購入した。 手帳の使い方の参考にと買ったのだが、自分にとっては最初の人生の教科書になった。 

Time ManagementというのはLife Managementの事であった、と合点したのだった。

今でも覚えている(つまり印象が強烈だった)ポイントを挙げると以下の4点になると思う。

1)Power of Concentration : 集中すると効率がよくなる。そのためにはTodo listを活用すること。 Todolistに書きこんでさえおけば”取りあえず”忘れることができる。目の前のtaskに集中できれば効率が上がる。

2)メモを書き散らかさずに全部Daytimerに書き込む。Daytimerをみれば載っている、あるいはDaytimerを見ればデータの出所がわかる、という形にすれば、あちこち情報を探し回る必要が無くなる。 この概念は現世のPDAと非常に相性が良い。 ただし、システム手帳の場合持ち歩く量に限りがある以上、常に取捨選択の必要にせまられ、強制的に定期的な見直しをかけざるを得なかった。 PDAだとメモリーの量を増やせばよいので昔の情報がそのまま残ってしまう弊害がある。 これはElectronic Documentすべてにいえることであり、このData のLife Cycleをどう扱うか、今の所、解を見つけられていない。

3)4 Quadrant System. 物事を緊急と非緊急、重要と非重要の象限で考える。 「非緊急・非重要」は捨てる。(あるいはやらないうちに大半が消滅する) 「重要・非緊急」を重点的につぶせば「緊急;重要」 項目はおのずと少なくなる。  この考え方はその後 Stevens Covey などの著書にも引き継がれて出てくる。

「緊急・非重要」の例えでHobbsが引き合いに出したのが電話。 電話がすべて重要・緊急ではないのに、ベルがなると反射的に取ってしまう。 目の前で重要な話をしていても取ってしまう。 「私は今あなたと話しをしている。 電話が鳴ったからといって取る必要はない。本当に重要ならまたかけてくる」と言った老女史の話には、はたとひざを叩いた。 これができないビジネスマンがいかに多いことか。 「すみません、今、手が離せないので後でこちらからかけなおします。」と言える人と、言えずに目の前の人をほったらかして週末のゴルフの予約の話に乗ってしまう人の能力差は確実に存在する。

4)自分の価値感を見つけ出し、何が自分にとって重要か、そこから生涯目標を描き出し、成就するための中間目標、短期計画を立てなさい、という自分にとってのUnifying principle発見の勧め。 今の啓蒙本なら当然のように書いてあるようなことかもしれないが、 当時の自分にとっては晴天の霹靂だったのだった。

そして同時にすごく英語の勉強になった。(笑) ほとんど同じ時期にTom Clancyの”Hunt for Red October”を読み、期せずして英語の原書を、それも2冊始めて読破した形になった。 クランシーのほうは読み出したら止まらない面白さだったのだが、Time powerのほうは本当に感激したのだと思う。 このときに得た自信がなければ、今も米国にとどまっていられたかどうかわからない。 そういう意味でもやはり人生に影響を与えた1冊だったのだ。