HP‐12Cのセグメント欠け

自分の持っているHP-12Cは電池がCR2032を2枚使うもので、要はオリジナルではなく、21世紀に入ってから作られたAtmelのマイコンを使ってオリジナルのファームウエアをエミュレートしたものだ。 当然実行速度は速くなっており、形状的にも手軽なのでちょっとしたビジネス計算用にオフィスの机の上に置いてあったのだが、使いだしてから半年もたたないうちにLCDのセグメント欠けが発生するようになった。セグメントが1本、2本とかけていくもので8を表示しようとすると日の代わりにトのような表示になってしまう。 最初は電池を変えるともとに戻ったりしていたのだが、そのうち欠けるセグメントがどんどん増えてきて計算機として用をなさなくなってしまった。

というわけで卓上には48Gを復活させ、12Cのほうは机の引出に投げ込んであった。

最近、整理をした時に出てきたので、どうせ捨てるならその前にばらして中身を見てみよう、と思った。

ゴム足の下のネジ4本と電池室のネジ2本を外すと、上蓋と下蓋に分解できる。 この状態で観てみると、表示用のLCDのFPCの端面が部品実装した配線板に直接張り付けられている。 経験上からHeat Sealという製法で接着されているとわかったので、この状態で電池を入れ、試しにFPCのこの部分をピンセットの先で配線板に押し付けてみると、一部の表示が復活する。押す場所によって復活するセグメントの位置も変わる。

工程上では加熱圧着することによって接続をとることになっているが、接続部分がはがれかかっているらしい。 そこで 小型のHeat Gunを使ってこの部分を温めながら、マイナスドライバーの先で、FPCの接続部分をまんべんなく押してみた。

さめるのを待って電源ONしてみたらセグメント欠けは無くなっており、通常作動に戻っている。

組み立てなおしてHP12Cしっかり復活してしまった。 2か月ほど経過したが問題なし。

近頃のHPの電卓は品質管理が良くないね。